現代軽文学評論

ライトノベルのもう一つの読み方を考えます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

不安定な過去、その不気味な創出 ― 伊藤ヒロ『異世界誕生 2006』

今回は、伊藤ヒロ『異世界誕生 2006』(講談社ラノベ文庫、2019年9月発売)を紹介します。色々な方が褒めていますが、私自身は、ぞっとするような、背筋の凍りつく思いを感じました。その正体について、考察してみたいと思います。

差別と抑圧の世界をぶっとばせ ― 輝井永澄『空手バカ異世界』

頭がおかしくなるような勢いに溢れた快作が現われました。独特の自己言及構造から立ち上がる、差別と抑圧の世界をぶっとばす物語について、論じてみたいと思います。

2018年の回顧と雑感

2018年は個人的には慌ただしく1年で、記事更新の回数が減ってしまいました。回顧と雑感を書きながら、最近刊行されているいくつかの作品について語りたいと思います。