現代軽文学評論

ライトノベルのもう一つの読み方を考えます。

MF文庫J

2010年代を代表するライトノベルとして ― 今井楓人『救世主の命題』再論

コミックマーケット97の『ラノベ読み合同誌』に寄稿した原稿をもとに、私の愛してやまない野村美月=今井楓人『救世主の命題』についてもう一度論じてみたいと思います。

2018年の回顧と雑感

2018年は個人的には慌ただしく1年で、記事更新の回数が減ってしまいました。回顧と雑感を書きながら、最近刊行されているいくつかの作品について語りたいと思います。

終わってしまった物語を想像する ― 今井楓人『救世主の命題』(その三)

これまで連続で紹介してきた今井楓人『救世主の命題』ですが、残念なことに3巻目で打ち切りとなってしまいます。最終回では、この作品を心から愛する一読者の勝手な想像を通じて、この終わってしまった物語の可能性を想像してみようと思います。

地球が救われた未来で、僕らはまた恋をするから ― 今井楓人『救世主の命題』(その二)

前回に引き続いて、今井楓人『救世主の命題』について語ります。第2巻と第3巻では、どのように物語は展開するのでしょうか。今回も、私の深く思い入れてきた作品を、ネタバレ全開で紹介いたします。どうぞご容赦ください。

だから、僕は世界を救おう ― 今井楓人『救世主の命題』(その一)

今回は、ぜひとも紹介したいと思いながら出来ていなかった作品について語ります。それは、今井楓人『救世主の命題〈テーゼ〉』(MF文庫J、2013年6月発売)。主人公とヒロインたちをめぐる温かく切ない恋愛を描いた、もう誰も語らないかもしれない良作です。

みんはな10年前のことを覚えているかい? ― 木緒なち『ぼくたちのリメイク』

今回は木緒なち『ぼくたちのリメイク』(MF文庫J、2017年3月発売)です。この作品は、2006年という具体的な年を指定している点が注目されます。そこで、この10年間の時代の変化について、本作ともゆかりのある作品も紹介しながら考えてみます。

軍事リアリズムは米軍基地を描く?

ライトノベルはエンターテイメント小説ですが、実は政治の争点となったり、社会問題とされたりする題材が描かれています。今回は、ストーリーのなかの「軍事リアリズム」と結び付いた米軍基地という題材について考えてみます。