現代軽文学評論

ライトノベルのもう一つの読み方を考えます。

作品論

アンソロジーの味わい ー 井上堅二ほか『ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ』

皆さん、こんにちは。このブログは、ライトノベルを手広く扱うことを目指しているわけですが、私自身の限界からあらゆる作家やジャンルを紹介することは到底不可能なことです。こういう時に心強いのが、人気作家を中心にして多彩な短編作品を並べているのが…

物語のなかのフィクション ― 枯野瑛『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』

どうも、こんにちは。おかげさまで、3000PVを達成しました!お付き合い下さった皆さまのおかげです。さて、今回はもう少し新しい作品――特に読み応えのあるファンタジー作品を、今回は紹介してみたいと思います。 この間、(転生ものではなく)純粋に異世界を…

ヒストリカル・ファンタジーへの挑戦 ― 野村美月『アルジャン・カレール』

こんにちは。7月の3連投で力尽きて気が付けば9月になっていました。それでも嬉しいのは、4月以降のPV数が5ヶ月連続で100件を超えたばかりか、7月・8月と200件を超えて、累計2500PVを達成したことです。毎度毎度、読むのが大変な長文を投稿している割に、読ん…

終わってしまった物語を想像する ― 今井楓人『救世主の命題』(その三)

こんにちは。前々回(その一)・前回(その二)と今井楓人『救世主の命題』全3巻(MF文庫J、2013~14年)の紹介を行ってきましたが、今回が最後となります。さて、第1回目でも書いたように、この作品は打切り作品でありながら、話を畳むことなく終わった作品…

地球が救われた未来で、僕らはまた恋をするから ― 今井楓人『救世主の命題』(その二)

こんにちは。前回(その一)に引き続き、今回も今井楓人『救世主の命題』について語ってみます。第1巻では、根暗で中二病な主人公の永野歩は、世界を救うために“憧憬”のテーゼを持つ1番目のヒロイン・春坂遥菜と付き合い、そしてすべてはリセットされました…

だから、僕は世界を救おう ― 今井楓人『救世主の命題』(その一)

こんにちは。3ヶ月連続でPV数100件超えというのは、大変嬉しいものです。見て下さった方々、読んで下さった方々にはただただ感謝しかありません。また、累計PV数も2000件を超えました。これからも頑張ってゆきたいと思います。さて、今回はこのブログを始め…

素晴らしきものへの愛を語る ― トネ・コーケン『スーパーカブ』

こんにちは。こんな零細で長文で小難しいブログでも、続けていれば多少は読んでくれる人がいるのでしょうか、先月に引き続き今月もPV数が100を超えました。とても嬉しく思います。この投稿で記事がようやく10件目になりますが、まずは月刊ペースでじっくり取…

彼女の「革命」の精神 ― 仙波ユウスケ『リア充になれない俺は革命家の同志になりました』

こんにちは。最近の学園もののライトノベルでは、スクールカーストを題材としたものが多く見られます。渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(小学館ガガガ文庫、2011年~)が大ヒットしたことが原因でないかと思うのですが、後に続く作品は色…

みんはな10年前のことを覚えているかい? ― 木緒なち『ぼくたちのリメイク』

こんにちは、お久しぶりです。こんな不定期更新のブログでも、はじめて1ヶ月で閲覧者数100を超えると少し驚きです。今年1月に書いた豊田巧『異世界横断鉄道ルート66』の記事を作者さんご本人がFacebookで紹介いただいたのが原因のようです。こんな小難しい文…

劇場版が原点を再発見させる ― 川原礫『ソードアート・オンライン』

こんにちは。最近、話題になっている劇場版『ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』を観てきました。劇場に足を運ぶ価値のある、良作だったと思います。 今回の劇場版は、原作者の川原礫が脚本を担当し、音楽の梶浦由記も実に良くて盛り上がり…

「異世界」とはどのような世界なのか ― 豊田巧『異世界横断鉄道ルート66』

お久しぶりです。新しい記事をようやく書き上げました。今回は、いま流行りの「異世界もの」について考えてみたいと思います。 皆さんもご存知のように、2010年代に入ってから異世界を舞台とするファンタジー作品が再び多く出るようになりました。2ちゃんね…

短編小説賞と「家族」問題 ー 五十嵐雄策『幸せ二世帯同居計画』

随分と更新をサボっていました。再開したいと思いつつ、実に3年以上も書いていなかったことになります。この間、ライトノベルの動向も随分と変化しました。しかし、変化していない部分もあります。今回はそんなお話。 五十嵐雄策『幸せ二世帯同居計画~妖精…

読み手に挑戦するライトノベル ― 米倉あきら『インテリぶる推理少女とハメたいせんせい』

米倉あきら『インテリぶる推理少女とハメたいせんせい - In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI -』(イラスト・和遙キナ、HJ文庫、2013年3月発売)が一部で話題になっています。私も一読して衝撃を受けました。 取り敢えず、HJ文庫がどう売り…